文屋八香の徒然

ちょっと長めに話したい時に

ドタバタ

先週、高校生で女子バレーボール部所属の三女は、オンライン授業だった。部内でクラスターがあったからだ。

三女は電車通学で、通学定期がある。その使われていない通学定期に目をつけたのは遊び人の大学生次女。

先週のある日、次女と遊びに行った時に「借りてるねん」と言って、見せてくれたのをみて、私はちょっと眉をひそめて、「ちゃんと返しや」と言った。かすかに嫌な予感がしたからだ。

1週間ぶりに登校することになった、今週の月曜日。出かけて行った三女から電話がかかってきた。

「お姉ちゃんに定期返してもらってない!」

え〜!やっぱり返してなかったん!もう!!

次女はまだ夢の中なので、慌てて勝手に彼女の財布を漁り、定期をつかんで、駅に行く途中で止まって待っていた三女に届けた。

三女は用心深い人なので、もしも忘れ物をしても取りに戻れるように、ギリギリの電車には乗らない。いつも1本早めのに乗るので、この時点ではまだ間に合う。

三女と別れ、帰宅して私も会社へ行く準備を始め、しばらくして、また三女から電話。

「お母さん、定期間違えてる…」

え?!顔から血の気がサーッとひいた。慌てて、次女の財布を見ると、三女の定期が!!次女の大学の通学定期を渡してしまったらしい。

定期はICカードにのせてあり、次女のカードには300円ほど入っていた。三女は2路線乗り継いで行くのだが、始めの路線では、その金額で足りたから、知らずに改札を出たけれども、次の路線では改札に入れずに…そこで気付いた。

しかもお財布を持って行っていなかったので、そこで立ち往生するハメになってしまったのだ。

「もう間に合わへんし、今日は休む。それで歩いて帰るわ」

涙声で言うので、

「今から届けるから、そこで待ってて。学校へはお母さんが連絡するから!」

と言って、電話を切り、ほとんど支度は終わっていたので、カバンを掴んで、家を飛び出した。私も遅刻を覚悟した。

駅までの道を小走りし、ハアハアいいながら学校に電話して、事情を説明し、三女が遅刻することを伝えた。息が乱れて、ちょっと恥ずかしかったけど、仕方ない。電車の中では汗がブワーっと吹き出してきた。わー、匂いもするだろうなぁ…でも仕方ない。

高校3年生にして、入学以来、初めて遅刻する三女は、行きたくなさそうだった。

「間違えてごめんな。学校にはちゃんと連絡したし、大丈夫やから行っておいで」

と定期を渡して別れた。

 

三女はホームルームは遅刻したそうだが、授業には遅刻しなかったそうだ。

 

私も遅刻を覚悟していたのだけれど、私の方はちゃっかりちゃんと間に合った。

 

電車に乗る時は、お財布も忘れずに。

学習した朝。